潜在意識と顕在意識

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わたしたちが、日ごろ、意識している自分とは何でしょうか。人間は時として、自分でも信じられないほどの衝動につきうごかされてしまうことがあります。まるでもう一人の自分がいて、わたしたちをあやつっているかのように感じられることもあります。

潜在意識はもう一人の自分

このもう一人の自分とは、自分として意識している表面の自我の深層にある存在です。これを潜在意識と呼びます。潜在意識に対して、表面にある意識のことを顕在意識といいます。顕在意識はふだんの自分です。わたしたちは、顕在意識こそが自分の本質であると考えてしまいがちですが、実際の人生の場面では、わたしたちは何かの衝動や、やむにやまれぬ思いにつきうごかされているはずです。

潜在意識からの衝動

そして、潜在意識がどんなふうに私達を動かしていくかによって、その人の健康状態から人生のあり方にまで大きな影響があるのです。このような潜在意識の働きについて、最初にまとまった見解を打ち出したのは、精神科医であったフロイト(1856~1939)でした。無意識(潜在意識)について定義し、精神分析という学問の基礎をつくったフロイトですが、このフロイトの考え方はすべてを性的欲求にむすびつけて解釈する偏ったところがあり、理論における矛盾も多かったのです。このあたりを深く、文化人類学的な視点までを含めて研究し、集合的無意識などの斬新な概念を打ち立てて、深層心理についての研究をいっそう深めていったのが、ユング(1875~1961)です。分析心理学(ユング心理学)の創始者で精神科医です。こういった先賢たちの研究のうえに現在の催眠療法があります。

催眠療法と精神医学

医療催眠を確立したのは、精神科医ミルトン・エリクソン博士(1901~1980)です。アメリカ臨床催眠学会の創始者であり、エリクソン博士の業績により、アメリカ医師会は1958年に催眠療法を効果のある治療法の一つとして認定したのです。エリクソン催眠から発展して、今日、普及しているものにNLPがあります。これは、神経言語プログラミング (Neuro-Linguistic Programming)の略称であり、催眠や潜在意識の作用をふまえたカウンセリング技法として知られています。このように催眠療法とは、心理療法の中でも特に医療的側面が強く、精神分析などと同じく、医師によって行われるべき心理療法なのです。

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