対人関係、異性関係でストレスを生む二分思考と両価性

二分思考(二分割思考)という認知の歪みは、
「すべてを黒か白かで考えてしまう傾向」のことです。

「この意見は自分への賛同か反論か」と、
対人関係でも、すぐに分別をしてしまう思考です。

実際には、賛同でもなければ反論でもない
グレーゾーンである場合がほとんどです。
完全な味方、完全な敵というのは少ないものです。

特に家族や夫婦や恋人など親しい関係になると
相手が善意から間違いを指摘してくれる場合もあります。

二分思考にとらわれていると、このような相手に
激しく反発して関係を壊してしまうのです。
すぐにパートナーとケンカをしてしまいます。

真正面から反発せずとも、穏和に受け流すことも
やんわりと包み込むこともできるのです。

その灰色部分を理解できるようになることで
二分思考は緩和されていきます。

そうすると親しい人との対話でも、
「拒否された」「批判された」と腹を立てることが
少なくなり、精神が快適に保てるようになります。

二分思考が強いと、
たえず「敵か味方か」「賛同者か反論者か」
「自分を評価してくれる相手か、ダメだしをしてくる相手か」

と物事を全て、全か無か、白か黒かで分けるため、
結果的に、プラスより、マイナス側に分ける場合が圧倒的に
多くなりがちなので、人との対話が苦痛になってきます。

それでますます人と話をしなくなっていくのです。
自己評価(セルフイメージ)が低いと、それに拍車をかけます。

セルフイメージが高い人の場合だと、
誰に何を言われてもびくともしない自我が保てるので、
いちいち目くじらを立てて抵抗する必要がなくなるのですが、

セルフイメージが低いと、自分を守ろうとして
たえず周囲と論戦のような形になります。

対人関係や異性関係を難しくするもう一つの認知の歪みは、両価性です。
これは、「愛してるけれど憎んでいる」

「尊敬しているけれど敵視している」
「頼りたいけれども、従いたくない」
といった相反する思いが心に同居している状態です。

この原因は、幼児期に親や周囲から、
両価性のある対応をされて、苦しんだ体験に根差しています。

例えば、「やさしくされたり暴力されたりの繰り返し」
などの体験をすることで、

「自分が完全に相手に心を許すと、裏切られる、見捨てられる」
という観念が潜在意識にできあがってしまいます。

これは習慣化した自己防衛の意識なので、
自覚していくことで少しずつ軽減していけます。

二分思考も両価性も、客観視して、意識化して、
あらためていくことで、少しずつ変えていけます。

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