催眠療法は医師の資格を持つセラピストから受ける

催眠療法(ヒプノセラピー)とは、心理療法の一種です。
このセラピーが有効な治療法であると アメリカ医師会が認定したのが
1958年です。

これは精神科医ミルトン・エリクソン博士の功績です。
エリクソン医師は、現在の催眠療法の手法の多くを開発し、普及させました。
また、多様な疾患や心理ストレス、葛藤、トラウマへの
催眠療法の適応を試み、大きな成果をあげています。

催眠療法の手法の一つに退行催眠があります。
過去の記憶へ退行することで、トラウマを癒すものです。
催眠療法は、カウンセリングのようなものとは違い、

催眠状態(トランス状態)という変性意識状態に誘導して 行うものであり、
患者の体調の変化などが起きる可能性がゼロではありません。
このため、医師が行うべきものであり、また、見えた情報を
現実の問題に統合する作業が必要となります。

この統合をするのは医師でないと、十分には行えないと
精神科医ブライアン・ワイス博士も主張しています。
催眠療法の発展は医師たちの活動によってなされましたが、
日本のように国家資格での催眠療法士が
存在しない国では、 誰でも自称、催眠療法士になれてしまう危険があります。

医師や看護師のように臨床経験と医学、生理学、救命の知識や
経験がある人が行うべき催眠療法が、
現状では誰でも開業できるものとなっている問題があります。

催眠療法は、医師の資格を持つセラピストから 受けるほうが良いのです。
その理由は、第一に催眠療法士の国家資格が 日本では存在しないため、
誰でも簡単に サロンを開業しても違法にならないという現実があります。

このため医療関係者でもない普通の人が、 全米催眠療法協会などの
講座だけを受けて認定催眠療法士の資格をとり、開業するケースも多いです。
これは二日間の簡単な講座で誰でも取れるものであり、
この程度で本格的な医療従事者としての必須の知識が習得できるとは思えません。

もうひとつは心療内科や精神科の通院歴のある人の場合は
特に病気を悪化させないよう配慮が必要です。
薬の知識、病気の知識、生理学の知識もない にわかセラピストに
かかることは危険でさえあります。

催眠状態にはいった場合に、ごくまれにですが 自律神経の失調のような
血圧変動を起こしたり、体調不良をおこすケースもあり、
医療知識や臨床経験がない セラピストに患者の安全が確保できるのか疑問です。

しばしば電話催眠などを受け付けるセラピストをみかけますが、
離れた場所の相手が催眠中に体調変動や事故に 見舞われた時の
安全確保の義務、責任をどうやって果たすのでしょうか。

消費者として、安全に活用するには、まず、医師のセラピストを
第一選択と考えるのが安全です。

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