催眠療法(ヒプノセラピー)と前世療法

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催眠療法とは欧米を中心に発展した心理療法です。さまざまなストレス性の疾患の改善に効果的とされています。またトラウマといって、過去に形成された悪い感情の記憶を緩和したり、癒やしたりすることが可能です。幼少期の環境などから、心にトラウマができている人は、ストレス性の疾患にかかりやすいとされています。こうした人の場合、ヒプノセラピーが非常に有効であるとされています。

医師が行うヒプノセラピー

ヒプノセラピーはまだ日本では医学界で認知されていません。そのため医師が行うヒプノセラピーが受けられる施設が極めて少ないのが現状です。日本ではヒプノセラピストと称する医師以外の人が、セラピーのサロンを開業しているケースが多いです。このため医師法や薬事法の問題があって、病気治療中の人や精神科通院中の人の場合は、施療を断られるケースも多々あります。

前世療法について

前世療法というのは、催眠療法(ヒプノセラピー)の一種です。催眠状態で記憶をさかのぼると、幼児期の記憶など、過去の忘れていた記憶が蘇ります。幼児退行催眠といい、幼児期のトラウマを見つけてそれを癒やしていくセラピーが有名です。

前世療法は退行催眠の発展型

記憶を幼児期から、胎児、さらには、生まれる前の世界へと戻っていきます。そして、いわゆる前世の記憶をよみがえらせるのです。この前世の記憶を思い出す体験は、とても感動的です。自分が、過去世で、別の人間として人生を生きていたということが体験できることも多くの人にとって驚きですが、過去世と現世の自分の因果関係やつながりがわかってくることがおもしろいのです。多くの場合、今抱える問題点の解決策になるような前世を思い出すようです。潜在意識の自然治癒力が、本人にとって、一番必要な前世を思いださせるのかもしれません。前世療法は、催眠療法の中では比較的新しい分野です。アメリカの精神科医、ブライアン・ワイス博士が1988年に出版した『前世療法』(PHP)が世界的ベストセラーになったことでこのセラピーが一気に認知されるようになりました。いろいろな悩みの解決や願望実現にとても効果があるセラピーです。普通のカウンセリングと違って、催眠状態でストレートに答えが自分の内側から出てくるのでとても説得力があり、内的変容をもたらしやすいのです。

ヒプノセラピーとスピリチュアル

催眠療法は、心霊体験とは明確に違うという立場で、セラピーは心理療法として進めるのが基本姿勢です。というのも前世療法であろうと、インナーチャイルド療法であろうと、その他の手法であろうと、催眠療法としてのセラピーの中での現象は、あくまでも潜在意識との対話です。セラピストが、スピリチュアルカウンセラーのようにリーディングや予言的アドバイス、遠隔視、霊視的なアドバイスをしはじめるとそれはもうヒプノセラピーの領域を超えた別の次元のセラピーになってしまいます。

クライアントが自己の潜在意識との対話をする

それが可能になる環境を催眠状態の中で作り出すお手伝いをするのが本来のヒプノセラピストの使命です。これはヒプノセラピーが医学と密接に結びついた療法であることに由来します。催眠療法を確立し、1958年に米国医師会に催眠療法を有効な治療手段として認定させたミルトン・エリクソン博士が精神科医であり、その後も多くの医師や医学博士たちの研究によって進歩発展してきたのがヒプノセラピーです。(そして、いまだに催眠療法を非科学的な疑似医療だとみなす人々も多い状況です。)セラピーの体験として、クライアントさんが前世療法でスピリチュアルガイドと出会い、そのメッセージを受けたとしても、それは、別の表現をすれば、本人が自分の潜在意識と対話したということなのです。

お告げをするセラピストは避ける

もし、セラピストが私的な見方での予言的アドバイスをしてしまうと、クライアントさんのほうは、自分の潜在意識からのメッセージなのか、セラピストのリーディングなのか判然としなくなってしまう場合があります。自分の意識がトランス状態になると、実際にはさまざまな感覚がわかってくるのですが、それは本当に言うべきことなのか常に熟慮しています。言う必要がないことがほとんどなのです。クライアントさんのための必要がないのにあれこれ言うのは、自分の傲慢な気持ちや自己顕示意識であって、これはややもすると道から外れる危険があります。

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