統合失調症とは

日本でも欧米先進国同様、精神疾患は癌よりも増えています。
精神疾患での医療機関への受診者数は平成23年度で320万人にのぼっています。
幻覚や妄想が持続して日常生活を破綻させる精神疾患の代表が統合失調症です。

統合失調症は、内因性・機能性の精神病と考えられています。
神経伝達物質の機能異常(ドーパミン過剰)のほか、
胎児期の脳形成の異常が物理的な面での原因と推測され、
一方、成長期の環境や心理的ストレスもその発症の大きな原因とされています。
そのどちらが主となる原因かも判明はしていません。

統合失調症は人口の約1%弱に発症するとされています。
統合失調症の発症は思春期から青年期にかけて多く、
30歳以下での発症が八割を超えています。
男性より女性の発症がやや遅い傾向があります。

人生の重要な時期に発病するため、早期の治療介入が重要ですが、
医療機関への受診に抵抗し、病院に行かないまま引きこもるケースも多いです。
以前は精神分裂病と呼ばれていました。

基礎症状として「連合障害(認知障害)」「自閉(自生思考等)」であり、
副次的に「精神病状態(幻覚妄想)」「思考途絶(連合障害)」
「思考化声(自生思考)」などがあります。

客観的に見てありえないことを事実だと信じることを妄想と呼びますが、
さまざまな種類の妄想が出現します。

1種類から数種類の妄想が見られることが多く、
被害妄想(近所の住民に嫌がらせをされる、通行人がすれ違いざまに自分に悪口を言う、など)、
関係妄想(周囲の出来事を自分に関係付けて自分がある行動をするたびに他人が攻撃をしてくる等)、
注察妄想(常に誰かに見張られていると感じる)などがあります。

また、統合失調症では幻聴が多くみられます。
ただし幻視は極めて希であるといわれています。
悪魔、狐がついた、神が話しかけてくる、宇宙人が交信してくるなどという患者も多いです。

こうした症状を抑えるためには向精神病薬を服用する必要があります。
心理療法だけでこれらの症状が改善することは難しく、
症状の重い段階では、服薬による治療が必要なことも多いです。

しかし、その一方で、症状が自然に軽快したり、心理療法によって改善する事例もあります。
統合失調症とされる状態には、さまざまな要因によるものがあるためであり、
一概には決め付けることはできないということです。

また発達障害や人格障害などでも、統合失調症に似た症状が出現しますので、
医師に統合失調症と誤診されてしまうこともあり注意が必要です。

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