催眠療法の可能性と潜在意識の不思議な働きについて

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平成8年に医師免許取得後、病院と診療所で現代医学と東洋医学に専念してきました。その一方で、心療内科、精神医学、そして催眠療法を学んできました。心が健康や人生に深く影響を与えることを身近に経験するなかで、特に催眠のノウハウを人生のさまざまな問題に応用できることに気が付きました。それからさらに研究を重ねて、現在、催眠療法を主体にしたカウンセリングこそ、患者を癒す究極の医療の一つの理想であると確信するようになりました。それは心の救いにもなるし、実際に問題を解決したり、理想を実現したり、現実の世界を思うままに変える可能性も持っています。

催眠を人生に活用すると何かできるか

☆いま悩んでいることがある人は、その解決の糸口がみつかる
☆実現したい夢がある人は、その実現を可能にしてくれる
☆異性にモテたい人には男女ともモテるようになれる
☆人間関係に悩む人は、その解決ができ、自分の思うどおりの結果にできる
☆相手に不快感を与えることなく、自分の願う方向に変えていける
☆コンプレックスがある人や壁や行き詰まりに苦しむ人はそれが克服できる
☆太っている、痩せすぎなど体型の悩みを解決できる
☆病気に苦しむ人は病気を改善することができる
☆勉強ができない人は勉強ができるようになる
☆死にたい、人生がつまらないと感じる人には生きる喜びを取り戻すことができる
☆お金に困っている人にはお金持ちになる道が開ける

もちろん、ここに書き出したことはあくまでも可能性の話です。人間の潜在意識をコントロールすることは、生き方を変えていくことにつながるので、このような変化をもたらす可能性があるということです。自分の潜在意識の力を最大限に善用できるような環境づくりをするのが催眠療法家(ヒプノセラピスト)の役割です。 「陰きわまりて陽となる」という言葉があるように、人生に行き詰ることは、生き方を見直すことにつながり、潜在意識の活用を学ぶきっかけになります。「肯定思考」とか「プラス思考」がよいと知っても多くの人はなかなか実行できません。しばしば、過去を肯定し、すべてをプラスにとらえなさいと言われます。そうすれば、現在と未来がすばらしいものになりますよと言うのです。これは半分正しく、半分間違っています。例えば、過去をふりかえると嫌なことやつらいことが多かった人では、過去を肯定しなさいと言われてもなかなかできない場合があります。それでも肯定しなさいと言われたら、困ってしまいますよね。こんな時は否定しても良いのです。例えば、私のこれまでの人生はつらいことや苦しいことばかりだったと言う人がいても良いのです。そんな人でも、現在をすばらしいものにして未来もすばらしいものに変える方法があるのです。

マイナスが多いほど、プラスを生み出す力となり得る

それが「陰きわまりて陽になる」というとらえ方なのです。実際に大成功されている人々には、不遇な時期や不幸な時期を乗り越えて大成された人が実に多いです。彼らは、苦しくつらい時期をどのように乗り越えていったのでしょうか?江戸時代に陽明学という学問が武士の中で広まりました。陽明学では人間には誰しも良知というものがあると説いています。わたしの立場から述べれば、良知は、善悪正邪が混在する広大な潜在意識領域の一角にありますが、実際には本当の中心であり、我々、人間存在の本質です。この「良知」は、真・善・美の意識の塊です。良知は、本来は陽明学の用語であり、「ハイヤーセルフ(高次の自己)」と呼んでもよい存在です。良知の働きは催眠状態で呼び出すことができます。様々な質問に驚くほど正確に適切な解答を与えてくれます。悩みを抱える人がヒプノセラピーを受けて良かったと言って下さるのは、この「すべての答えは自分の中から出てくる」ことを体験された時です。精神世界系の本で、「神は身の内にあり」とか「人間は全知全能の神とつながっている」などと書いている人がいますが、催眠は、これを本当に体験させてくれる手段です。

良知の存在を悟ることがカギとなる

しかし、催眠状態でなく日常において良知の意思を知ることは、多くの人にとって難しいようです。良知は、マイナスを警告する場合には、「良心の呵責(かしゃく)」や「虫の知らせ」のような感覚になって体験されます。身体的には胸のあたりに違和感や閉塞感を感じます。反対にワクワクする感じや清々しさを覚える場合はプラスのサインです。普通、プラスのサインを正確に感じとる方が難しいようです。良知のサインは、ヒプノセラピーなどにより様々な心の声や雑念、葛藤などが、純化され、浄化されてくると、誰でも自然に感じとれるようになってきます。この状態になると、やることなすことが、タイミング良くツボにはまって上手くいくようになります。良知が存在するがゆえに、あなたが正しくない思いで何かをなそうとする時には、それを妨げて失敗させてしまう働きが出てくるのです。これで、悪意をもって催眠のノウハウを運用すると、一時うまくいっても必ず最後には手痛いしっぺ返しをくらうことがご理解頂けたと思います。愛と真心をもって用いるときに、あなたを本当の幸せに導くのです。

悪意で行うと必ず破綻する

催眠や潜在意識の法則を活用したいと考えている人には、二通りあります。一つは、イメージトレーニングや、自己暗示、自己催眠など、自分自身をコントロールして理想の状態に持っていくものです。もう一つは、催眠や潜在意識の力を使って、他人を思いどおりにコントロールしたいというものです。他人をコントロールしたい人向けに提供されるマニュアルなどには、必ずといって良いほど、相手を支配したり、コントロールできるといった角度から、催眠について語られています。たとえば、モテない男性がこのノウハウで女性を思い通りに従わせるなんて書き方で、顧客をあおっているものも見かけます。こうした情報に依存してしまう人の気持ちもわからないではないです。誰でも、他人をコントロールしたいという欲求を持っているからです。テレビ番組でも、こうした角度から催眠を扱ったものをしばしば見かけます。多くの人間関係のトラブルも、どちらがコントロールの主導権を握るかという争いである場合が多いものです。しかし、このような支配欲のままに、ノウハウを駆使してもあまり良い結果にはなりません。一時的にうまくいく場合もあるでしょうが、必ずいずれは破たんします。なぜでしょうか。それは潜在意識の本質がわかっていないからです。破たんさせるのは、他人ではありません。自分の潜在意識がそのような結果に導いてしまうのです。

潜在意識の働きの本質を理解すること

そもそも、潜在意識とは何でしょうか。私たちが意識している自分、これが顕在意識です。意識している自分があれば、意識していない自分もあります。これが潜在意識です。氷山の一角という例えが使われますので、ご存じの方も多いと思います。海に浮かぶ氷山の水面下の部分は、海上に見える氷よりも圧倒的に大きいという話です。これだけわかっても、実は一部分しか理解したことにはなりません。もっと重要なことは、潜在意識そのものにも幾重にも層があるということです。玉ねぎのようなものとイメージして下さい。欲望だけの意識ももちろんそこには含まれています。幾重にも層があって、その真ん中に本質的な部分があります。そしてこの本質の部分が、真実の私たちなのです。ここにある意識は、善や美や愛の塊といっても良い存在です。王陽明という人は、これを「良知(りょうち)」と呼びました。人間に良心があるのは、この良知が存在するためです。相手を支配したいという邪悪なノウハウがなぜ最終的に破たんするのか。それは、この良知のなせるワザなのです。このことをわかった上で、潜在意識を正しく運用して、幸せや理想を実現していくことが大切です。正しい方法で積み上げた幸福は、絶対に破たんしません。それどころか、倍々ゲームのようにどんどんラッキーがラッキーを呼び、繁栄、発展していきます。ノウハウそのものよりも、それを駆使する時の心構えが大事なのです。潜在意識には善悪はない、などと書いている専門家(?)もいますが、決してそんなことはありません。生命の働きとして、繁栄、発展、進化というものがあります。人間において、この働きが現れる時、それは、愛・真心・善意といったものとして出てきます。

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