潜在意識と祈り

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祈りは無意味なのでしょうか?祈っても何も変わらないとか、祈っても虫歯一本治らないとか、そんな理屈で、祈りを無意味化しようとする人がいます。祈りとは、意が乗ることです。その原点は「暗示」です。祈りはけっして「迷信」などではなく、潜在意識に働きかける優れた心理療法としての側面を持っているのです。

祈りの原点は自己暗示

潜在意識の中に「暗示」の言葉が入ると、無意識はそれを現実に表そうとします。繰り返しつぶやかれた口ぐせは強い暗示となり、その人の行動や人生まで左右します。このつぶやきのセリフも、祈りにおけるセリフも基本的には同じものです。祈りとは自己暗示であると言い換えても良いのです。もちろん、それだけではない働きもありますが、それを論じる前に、暗示としての祈りがもたらす引き寄せの法則については、十分に理解して日常生活に活用していくべきなのです。もし、あなたが他者の幸せについて祈るとき、その意識の働きは、あなた自身にも同じ作用をもたらしているのです。他者の幸せを願うことは、自分に幸せを引き寄せていることになるということです。これが潜在意識の不思議な作用なのです。潜在意識は暗示されたものを再現しようと無意識の領域からあなたに働きかけてきます。ですから、あなたは自分の思考や概念を常に選択し、良いものを選んでいくことを心がける必要があります。

この町が平和でありますように

「大草原の小さな家」というアメリカの古い時代劇で、チャールズ一家が食事のとき「この町が平和でありますように」と祈りの言葉を唱えます。その言葉は一家の潜在意識に刻みつけられ、おのずから皆に道徳的な生き方を志向させるのです。暗示と潜在意識の働きを知れば、祈りを軽く見ることはできないのです。祈りとは決して無力なものではなく、人を動かし、時にはそれ以上のものを動かしうる可能性を秘めた引き寄せの力、それが祈りなのです。神様に祈る場合と自己暗示では言葉の使い方に微妙な違いがあります。神様を動かす場合には別の理論が働きます。そこまで理解できなくても、とりあえず、自己暗示の要素だけでも使いこなせるとあなたの願いは叶いやすくなるでしょう。良い未来について願う祈りは、素晴らしい暗示作用をあなたにもたらしてくれるということです。あなたの心に浮かべるものをあなたは常に自分で選んでいるのだということを自覚するようにしましょう。何を思うかを選ぶのはあなたなのです。負の思いやネガティブな考え方が湧いてきたら、それにいつまでもとらわれることは危険です。意識してその反対の正の思い、ポジティブな考え方を思考し、それを言葉にして自分に言って聞かせる努力があなたを理想実現に近づけてくれます。

あなたの祈りは宇宙を動かしている

自分のため、そして誰かのために祈ってみませんか?それはあなたの潜在意識に確実に作用するのです。日々の祈りとは日々の暗示なのです。感謝の祈りが効果的とされるのは、感謝とは幸福や豊かさの肯定だからです。潜在意識で肯定されたものは現実化するのです。感謝の祈りは、感謝した物事をさらに強く現実化させる、つまり引き寄せるのです。「およそ祈りて願いしものはすでに得たりと信ぜよ。されば得るべし」と聖書にも書かれているのはこのことです。すでに実現した、あるいは実現しつつあると認める感謝の祈りは、強い実現力を持つのです。感謝は感謝を引き寄せ、許しは許しを引き寄せます。逆に不平不満は、不平不満を引き寄せるのです。憎しみは、憎しみを引き寄せるのです。また、祈りといっても欠乏感をもたらすような言葉を使うことは好ましいことではありません。欠乏を表現する言葉は欠乏という概念をあなたの潜在意識に送り込んでしまうという危険性があるのです。不平不満を神に祈ることは、結果的に、その不平不満と同質のものを引き寄せてしまう危険性があるといえます。もし、問題の解決をあなたの祈りにするのであれば、問題が解決した理想形を言葉で表現し、その状態の招来を神に祈念するような表現をとることが、暗示としての祈りの効果を高めてくれるのです。

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