前世療法への大きな誤解に対して答える

かなり前に古本屋で「悪いのは私じゃない症候群」という本が目に留まり、読んでみました。とある精神科医の著書です。うつ病をはじめとする精神科・心療内科に通院中の患者さんに多くみられる傾向であるとして、この「悪いのは私じゃない症候群」をあげて、問題を指摘しています。責任を自分の心がけ、心のあり方以外のものに押し付けるのが、この症候群の特徴であると書いています。

精神科医の中にも広がる前世療法への誤解

そして、この考え方では、結局、幸せになれないと結んでいます。自分の心がけや心のあり方を改善することで、症状が改善することは事実です。本書は全体としては賛同できる内容なのですが、著者の言動や活動履歴の中でこの精神科医自身が「悪いのは私じゃない」と言って周囲の言論人と論争をしたりしているため、著者自身が「悪いのは私じゃない症候群」に罹っているんじゃないかという印象がぬぐい切れませんでした。その点を除外して、内容を考えれば、おおむね賛成できる中身でした。責任を他に置くことで、自分は悪くないと考えると、確かに気が楽になる面はあります。そういう思考法で救われる局面があることも否定しません。しかし、そのようなやり方では人格の成長はできないことは間違いありません。しかしながら、この本の中で、非常に気になったのは、前世療法に関する見方に大きな誤解があると感じた点です。この精神科医は前世療法についてかなりの誤解があるようだと感じました。

前世療法は責任を前世に押し付けるようなものではない

「前世療法もまた、責任を前世におしつけて『悪いのは私じゃない』とするためのものだ」と書いているのです。また、「子供は親を選んで生まれてくるという輪廻転生を肯定した思考は、親の責任回避である」と書いています。この点、この著者は、理解が浅いようなので訂正しておきますと、まず、前世に責任を押し付けるのが前世療法だというのは完全に間違っています。前世療法的な見方というのは、前世を含めた過去の自分の思いと行動が、現在の自分の状況を生み出しているということ、それと同時に、今の自分の思いと行動が未来の自分の状況を生み出していくのだと悟る点にあります。因果応報の仕組みを悟ることで、今の自分が正しく、前向きにやるべき努力を怠らずに進むことで、未来を切り開いていけると納得するのが、前世療法的な見方です。また、子供が親を選んでくるのと同様、親も子供を選んでいます。これはマッチングみたいなもので、お互いに自分の魂を磨く観点から最適な組み合わせを選んでいるのです。ですから、親もまた責任をもって、子供を正しく育てることで魂が磨かれるのです。この魂を磨くという言葉は、霊性進化とか、人格向上と考えて頂いて良いものです。この観点からは、決して責任がよそにあるものではありません。自分の心がけ、自分の心のあり方がすべてを決定づけているのです。このことを本当の意味で実感することができるのが、前世療法の一番の効能です。

前世はあるのか、生まれ変わりはあるのか

しばしば、前世はあるのか、生まれ変わりはあるのか、死後の世界はあるのか、という論争を目にします。科学的思考という意味では、あるとも証明できないし、ないとも証明できないものについては「わからない」とするのが正しいと思います。しかし、著名な学者先生であってもどちらか一方を信じておられる方は、自説を主張して他を否定しています。20世紀を代表する宗教学者ミルチア・エリアーデは、人間には二種類あると書いています。聖なるものを感じるセンスのある人間と、聖なるものを感じるセンスのない人間です。共産主義者や社会主義者に、唯物論者が多いですね。昔、俳優の丹波哲郎さんが「死後の世界の証明」という本を書かれていました。その中でおもしろいと思ったのは、丹波さんは、まず、前世療法をあげて、催眠状態で前世を思い出すことができることを指摘、次に、臨死体験をあげて、臨死状態では共通したあの世体験をしていることを指摘、次には前世を記憶する子供たちについてのバージニア大学の研究をあげています。このひとつひとつを検証することで、総合的に考えると死後の世界はあるとするのが妥当であると結論づけていました。否定する人というのは、こうした研究の成果をまったく知らないし、また知ろうという意思もないのです。中には前世は危険思想とする人もいます。全世界にいる仏教徒やチベット密教、ヒンズー教は輪廻転生を認めているのに、彼らは危険思想なのか。ギリシャの哲学者プラトンも、著書で生まれ変わりを説いているのに、それも危険思想なのか。ということになります。存在の有無よりも大事なことは、前世療法で、悩みや苦しみから癒やされていく人が存在するという事実ではないでしょうか?

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