人間の出来上がってしまった心理傾向を変えられますか?

目次

【質問】

人の心理は生まれ育った環境により形成されることは分かります。
しかし、一度出来上がってしまった思考を変えることは可能でしょうか?
自分は心が弱く、うつに悩む時もあります。
子供ならともかく、この年齢からできるのでしょうか?

【回答】

生まれ育った環境で形成された心理傾向はあまり変わらないと多くの人は考えています。大人になってから変えることは不可能だと思っている人もいます。

思考から行動が生まれる

人の心にある思考が、感情や衝動を生み出し、それが行動に現れてきます。その行動の積み重ねが人生の流れを形成していきます。つまるところは思考です。そして思考の正体とは「心の中のつぶやきや叫びの繰り返し」です。言いかえれば「セリフ」です。自分が日常で知らず知らずのうちに心に浮かべているセリフが、実は人生を作っているのです。そのことを悟り、そこに意識を向けて、それを見つめ、変えていく努力をするのであれば、人間の心理傾向は変えられます。生まれて育つ過程でできあがった傾向をそのまま抱えて生きていくのも本人の自由ですが、それを変えるという自由もあります。

何歳からでも心のセリフを変えていく練習はできます

自分が意識して変えていく努力をするかしないか、それだけなのです。年齢ははっきり申し上げますと関係ありません。本人のやる気、心がけがすべてです。正しい方法で自分の心理傾向を変えていくことができると心から納得、理解し、それを目指すのであれば可能です。自分の幸せを自由に生み出せる道を選択したいものです。まずは、口ぐせ、独り言の内容を変えていきましょう。自分へのダメ出し、否定、周囲への不満、愚痴をなくし、感謝、希望、可能性について常に肯定的に言葉にすれば、変わっていくことができます。

セルフイメージとコミュニケーション

恋愛がうまくいかない人、夫婦関係がうまくいかない人にしばしばみられる間違ったコミュニケーションの仕方は、「相手をコントロールしようとする」ことです。どういうコミュニケーションの時に、人はコントロールされている不快感を感じるのでしょうか?

批判する。
責める。
罰する。
脅す。
ガミガミ言う。
目先の褒美で釣る。

セルフイメージの低い人(劣等感の強い人)で、このようなコミュニケーションをとる人が多く見られます。このタイプの人は、自分自身が幼児期から、両親など周囲の人にこのパターンのコミュニケーションを仕掛けられていたはずです。それが自分の無意識にしみついているので、恋愛や夫婦関係で、それが出てしまうのです。自分を守ろうとして、相手をコントロールしようとしているのです。必死で守らなければ自己重要感を保てないという状態です。自己防衛本能からの行動なので、簡単なプラス暗示ではなかなか改善できません。根本的に改めていくためには、まず自己重要感(セルフイメージ)を高めることが根本対策になります。

原因を元から断つことが大切

根本原因とは無意識の世界にある悪い暗示を解除してあげることです。知らず知らずとらわれていた悪い暗示を解くことは、良い暗示を入れることよりも何倍も重要です。インナーチャイルドセラピーや前世療法は、幼児期や前世の中にあるセルフイメージ低下の根本原因を明らかにすることで、その暗示に縛られた無意識を解放するのです。無意識にかかっていた悪い暗示がとけると、セルフイメージが回復するので、安心と安定がもたらされ、必死で自分を守る必要がなくなります。その結果、無理をしなくても自然に、下記のような好ましいコミュニケーションがとれるようになります。

傾聴する。
支援する。
勇気づける。
尊敬する。
信頼する。
受容する。
意見の違いを話し合う。

こうした良きコミュニケーションがとれるので、恋愛でも夫婦関係でも円満になっていくのです。これらの行動は、セルフイメージが好ましい状態にあってこそ、自然に実践できます。

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